ビルやマンションの外壁タイル剥落を防ぐ外壁調査~ロープアクセス工法~

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前回の記事では赤外線調査について書かせていただきました。


今回はロープアクセス工法編です!



ロープアクセス工法による外壁調査

ロープアクセス工法とは

ざっくりとはこの記事で書いていますが、さらに詳しく書いていきます.

産業用ロープ や無足場工法という名称で総称して呼ばれることもありますが、足場を設置せず、またゴンドラや高所作業車も使用せず、屋上からロープで作業員がぶら下がりながら作業を行う方法のことを言い、ブランコとも似ているようで全く別物です。
ロープでぶら下がりながら窓清掃をしている作業員を1度は見たことがあるかと思いますが、ブランコ工法とは窓清掃をされている方が行っていることが多いですね。
それこそ最近ではロープアクセスへと変化してきてはいますが、ブランコ工法とロープアクセス工法は、使用している機材の違いから生じる安全性の差が顕著に表れてきます。

このロープアクセスは欧米ではかなり進んでおり、建築物や橋梁の調査や補修、プラント補修や風力発電の調査など幅広い分野で活用されていますが、日本国内においては海外に比べ従事者や認知度もまだまだ低いです。
しかしここ最近(2021年10月現在)、行政所有の建物の調査の入札案件の仕様書などでも「ロープアクセス工法可」の一文が入っていることが多くなってきており、認知度が高まっていると感じます。

どんな業者を選べばよいか


どう業者を判別するかは、「吊元画像」を見せてもらいましょう!
IRATAをご存じでしょうか?
INDUSTRIAL ROPE ACCESS TRADE ASSOCIATION「産業ロープ業者協会」の略称です。
1992年、ロープアクセス技術の安全な運用と無事故を目的として設立され、第三者による技術認定を行うなど厳格な管理のもと、ロープアクセス技術者の資質向上や新技術の開発などを行っている世界最大の団体です。
この団体が原則としているものの一つとして「two rope two point」があるのですが、降下用ロープをセットする際には降下用ロープを2本(メインロープ、バックアップロープ)使用し、それぞれ2点の支持物を吊元として使用します。
例えば、1本のロープが切れた場合でも2本目のロープがある為落下を防ぐことができ、1本のロープの吊元の支持物が倒壊したとしても2つ目の支持物がある為落下を防ぐことができるようになっています。
この場合、4つの支持物が倒壊する、もしくは2本のロープが切断された場合は落下事故が起きますが、まずあり得ないと言えます。

また安全性を高く保つ為に、使用する資器材などもかなり気をつけている為、作業服や資器材なども比較的綺麗にしている業者を選ぶのもポイントの一つです。

ボロボロだと、安全面大丈夫かな?と疑われないように気を使っている業者もいますので、参考にできると思います。

ロープアクセス工法のメリット

・高い精度でコストを抑えることができる
・仮設足場やゴンドラ等と比べ、設置期間をとる必要がない為工期が短い
・様々な形状の建物でも対応可能(吊元があることが必須)
・足場による遮光などが無い為、居住者のストレスが少ない
・補修工事も可能
 

ロープアクセス工法 のデメリット

・雨天に加え、強風時も作業はできない
・作業者以外の第3者による確認ができない
・国内のロープアクセス従事者が少ない

ピンポイントな補修も可能

調査中や調査後に剥落しそうなタイルが数枚あった場合など、足場設置するなどした場合は対応に時間がかかるが、ロープアクセス工法なら迅速に対応することができます。
また、シーリングの損傷などによる漏水箇所がピンポイントで把握できている場合なども、必要箇所以外に足場を設置するなどのことも無い為、迅速かつコストを抑えた補修も可能です。
また広い範囲でタイルが剥落しそうな危険な状態の場合などは、ロープアクセス工法だと難しいケースもありますが、剥落防止ネットを応急的に張って、大規模修繕迄の期間を乗り切るということもできます。

外壁調査、補修工事の1つの方法としてロープアクセス工法があり、年々需要も高まっていますのでぜひ覚えていてください!

最後までお読みいただきありがとうございました👍

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